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■ アパート経営指南______十数年間、中古アパートの再生を行ってきた経験を公開!
アパート経営指南(その5) 中古アパート購入時の留意点
中古アパート購入時の留意点
「アパート経営指南 その1」で私はアパート経営を中古購入中心で行っており、アパート経営開始時のお勧めは中古アパートだと書きました。 中古アパートは選択眼を鍛えると新築では想像できない利回りで運営することが出来ます。 それではどのような点に留意すれば高利回りの中古アパートを入手できるか、入手後満室に近い状態を維持できるかについての経験をお伝えしたいと思います。
立地
立地は重要な要件です。 しかし、繁華街付近では騒音や治安の問題もありセキュリティ万全のマンションならいざ知らず、アパートでは繁華街に近い閑静な住宅地が最良立地でしょう。 しかしこのような理想的場所であれば当然地価が高いので築年数が経っている物件でも価格が落ちず、高利回りは期待できません。 地方ではほとんどの人が車を持っているので余程辺鄙な場所でない限り、繁華街から離れていることは入居促進にとって障害とはなりません。 取得コストを抑えることの方が重要です。
築年数
築年数は若いほど人気が有るのは当然ですが、いわゆる築浅物件とは新築5年以内を言うことが多く、築10年を超えれば築浅による競争力は殆ど無くなります。 かといって1981年以前の旧耐震基準の建物は耐震補強をしてまで使うことは経済合理性を欠くと思われます。 特別な事情がある物件を除き、中古として購入するのは築20年~40年の物のうち諸条件を勘案して採算性がよくなると思われるものを購入することとなります。 私は築30年前後のものを購入するのが多くなっています。 この年代であれば建物内の給水配管が樹脂もしくは樹脂被覆となっていて赤水がでる懸念が小さいからです。
構造
主として木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造があります。 入居者が最も好むのは何といっても鉄筋コンクリート造です。 鉄筋コンクリート造は壁も鉄筋コンクリートなので防音性が高く、また火事になっても延焼しにくいので安心感があるのです。 耐久性に関しては構造による差よりもメンテナンスの差が大きく影響します。 屋根や壁からの雨水侵入を防止する管理と補修を徹底すればどの構造でも50年以上の使用に耐えます。 しかし、木造建築物で管理が悪く雨漏れを放置して柱や梁が腐食している物件やシロアリが発生している物件などは大改修が必要なので、手を出さない方が良いと思います。
間取り
間取りは非常に大切です。 部屋数よりも時代に合った間取りであるか、または変更できるかが大切です。 新築時には「単身者向け」「新婚夫婦向け」「家族向け」などにより部屋数に差がありますが、いずれにしても下記のような部屋は人気がありません。
- バス・トイレ併設の3点ユニットバス
- 居間が和室(畳)
- 2Kや3Kといった、キッチンが狭く小さい部屋が多くある間取り
現状ではバス・トイレは別が当然で、和室はほぼ必要なし、キッチンはDKもしくはLDKとして生活の中心空間となっているのです。 このような間取りになっていない場合は変更するスペースが有るかの確認が必要となります。 旧来の間取りを変更できない構造であればかなり低家賃でしか賃貸できないでしょうから、それでも採算が合う価格以下でしか購入できないことになります。
駐車場
繁華街で周囲に月極めの貸し駐車場がたくさんあるところを除き、単身世帯向けアパートでは部屋数と同数以上、新婚夫婦向け、家族向けでは部屋数の1.6倍以上程度の駐車場数が必用です。 特に単身者用で部屋数より駐車場数が少ないと駐車場不足で空き部屋が埋まらないというリスクが高くなります。 敷地に余裕が有れば「来客者用駐車場」「宅配用駐車場」などを作るとアパート自体の評価が上がります。 ただし「長時間駐車禁止」の看板を設ける等の管理をしないと無料駐車場として無断で停める輩が出てきます。
前記のような目線で物件を下見して、補修を行えば今後20年程度は賃貸物件として機能する見通しが立てば、購入費と補修費の合計額を全額銀行借り入れで賄った場合15年以内で返済可能であるかどうかが一つのポイントとなります。 管理が優良な物件では補修費が少なく、10年以内で返済可能である物件も散見されます。 中古物件は次々に出てきますから、中古購入時は慌てずにいくつも物件を見てから、掘り出し物を探し当てるのです。
入居者募集や入退去の管理は専門の管理会社に委託する必要が有りますが、何回も言っているように自分の物件は自分が愛着を持ち、共用部の清掃を自分で行ったり空き部屋の改修案を自分で考えて実行したりして、維持管理を人任せにしないことが大切です。 部屋の装備も時代のトレンドが有るので、いろいろな情報を仕入れて研究し常に時代に合ったアパートに変え続けることが「選ばれるアパート」となる秘訣なのです。