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■ 経営論___________いくつかの中小企業を創業・経営してきた経験を基に強い会社を創りあげる方法を紹介 【 経営者必読!】

企業経営のお話(その6) 創業時の経験 一流職人への道

創業時の経験 一流職人への道

 過去の本ブログで、私は自ら創業したことは述べさせてもらいましたが、建設機械のメーカーでサービスエンジニアをしていた私は当初は建設機械の修理を主業務として創業いたしました。 サラリーマンをしていたわけですから、蓄えは僅かです。 日々、稼いだお金で生活費事業資金を賄う必要が有るので、体で稼ぐ修理業は元手が少なくて取り組みやすい業種でした。 

 最初は地元で大手の建設機械修理業者の下請けとして仕事をしていましたが、2年後に小さな工場を借りて、近隣の土建業者等建設機械保有者を自ら営業して修理を受注するようになりました。 建設機械の修理の大手事業者は職種ごとに専門業者を使っているのが普通です。 どんな専門職種が有るかと言えば「板金」「塗装」「溶接」「電装品」などがあります。 しかし、小さな工場では修理・整備する機械を1台しか工場内へ入れることが出来ないので、例えば専門業者に塗装を外注すれば自分の屋内作業スペースが殆ど無くなるのと、創業時は出来るだけ何でも自分でこなして外部に出ていくお金を減らす必要が有ることから、出来るだけ自分でやろうと考えました。 

 幸いサービスエンジニアをしていた時に、「溶接」は少し経験が有りました。 また、2年間大手修理事業者の下請けをしていた時に「板金」「塗装」の仕事を専門業者がしていることを見ていたところ、訓練すれば自分でもできそうだと思ったので、基本的な手順や材料選定等をいろいろな人にきいて知識を深め、実際に施工する練習をして次第に上達していきました。 

 自分で経営しているわけですから、早くて品質良く施工できればそれだけ利益も大きく顧客営業にもプラスになります。 また施工ノウハウを自身が獲得すれば将来自分が施工しなくても、素人を雇用して職人として育てることも出来るようになります。 やるからには他人を指導できるような一流職人を目指して勉強と練習を続けるのです。

 この時の経験から、専門職(職人)として一流になるにはどうすべきかということが少し見えたので、これから専門職を目指す人の参考になるようなことを書いてみようと思います。

職人として一流になるには

  すべてのことに共通しますが、一流になるには「頑張って一流になるぞ」と思わなければ絶対になれません。 そして「頑張る」とは「勉強する」ことと「練習する」ことを言います。 例えば「溶接」であれば「溶接機の種類や用途」「溶接溶材の種類や用途」「溶接時の電流調整」「溶接姿勢の基本や応用」等々、練習する前に知識を得ておかなければ、確実に上達する「合理的な練習方法」を実践することはできません。 この知識を得るために「勉強する」ことが必要になるのです。          

 更に「練習する」ことが必要になりますが、何も考えずにただひたすら溶接を長時間するだけでは、一定以上の上達はありません。 勉強したことを実践して、体で覚えていくのですから自分の仕事に必要であるいろいろな材料や姿勢などで実行してみて、よくできた場合とできなかった場合の違いを把握して常によくできた状態になるようにするのが練習です。 

 私は実際にやってみて溶接そのものの練習の他に必要なものが有ることに気付きました。 それはまず「溶接部が見える目を持つ」ことです。 例えば被覆アーク溶接でかなり難度の高いかちあげ溶接立て向き上進溶接)をする場合は溶材とフラックス同時に溶けた状態になっているのを目で見ながら(もちろん溶接面越しです)溶材が垂れないできれいに積みあげていく感覚で溶接を進めていきます。 このとき溶材の溶けたものが垂れてはいけませんがフラックスの溶けたものは垂れていっても良いのです。 同じ溶けた状態でもフラックスはやや暗く見えるので、溶けた溶材のみを積み上げていく感覚の作業が出来るのです。 ところが目が悪いとこの見分けがつきません。 結果、きれいなビードの溶接にならないのです。 

 また、「筋力」も重要です。 溶け込みがよく美観に優れたビードの溶接とするには自分の意志通りの運棒がなされる必要が有りますが、腕の筋力が無いと手が震えるのです。 手の震えは如実にビード形状に現れますので美観の優れた溶接とはなりません。 体全体の力が必要ですが特に腕の筋力は重要です。 そして体全体に力が有って体が柔軟であれば、現場溶接で吊り下げられたような姿勢で構造物下側の溶接をきれいに行うことも出来るようになるのです。

 「塗装」についても同じようなことが言えます。 塗料も目的や塗装場所によっていろいろな種類が有るので、知識を増やしてその選択ができるようになる必要が有ります。 建設機械の塗装はスプレーガンによることが多いのですが、ガンの使い方や塗料の粘度調整も覚える必要が有ります。 そしてやはり「」が良くないときれいな塗装が出来ないのです。 上手な人の塗装は表面の艶が違います。 塗料をガンで吹き付けるとある時点で表面が最も美しく見える瞬間があり、それを超えると塗膜が垂れ始めます。 この塗膜が垂れる直前の最も光る表面に全体が出来る塗装色人が一流なのです。 溶接と同じで「目」が良くて、スプレーガンを自分の意志通りに動かすことが出来る「体力」がないと一流の塗装はできないのです。

 スポーツ選手でも一流になるには才能以外に日々の健康管理や合理的な練習が必須のようですが、職人も同様で器用なだけでなく健康管理体力管理が求められるのです。 そして一流になればそれに見合った報酬と待遇が約束されることとなるのです。

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