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お知らせ・ブログ
■ 家庭菜園奮闘記_______趣味の菜園での工夫や努力を紹介
家庭菜園奮闘記(その67) いちじくの栽培
いちじくの栽培
以前の菜園ブログでイチジクの栽培状況を書いたことがありますが、今回は素人がイチジク栽培をするときの手法を書いてみたいと思います。
私が子供の頃、近所にイチジクの木が有りましたが、もらって食べてもあまり美味しいと感じませんでした。 結果、私の中では「イチジク=美味しくない果物」というイメージが出来ていました。 ところが近年は美味しいイチジクが沢山出てきたようで、私が菜園を始めてから苗をもらって育てたものは大変甘いものでした。
最初は育てる知識も少なく、あまり考えずに適当に剪定しながら育てていたところ木がどんどん大きくなって、実も沢山つけるようになりました。 なり始めてから数年はあまり被害が無かったのですが、そのうち鳥(主にムクドリ)が来て実ったものから食べていくようになったのです。 木が小さいうちは木全体に網をかけて防いでいたのですが、だんだんと木が大きくなってきて網をかけても下の方が開いた形にしか網をかけられなくなりました。 するとムクドリは下の方から入って食べていくのです。 更に木が大きくなってきたため全体に網をかけるのが無理になったので網をかけずに放置して置いたところ、ムクドリの飛来がどんどん増え、100羽超の集団で食べていくようになってしまいました。 このくらい来るともう人間の口に入る前にすべて鳥の餌になってしまいます。
仕方なく手の届くところの実に一個ずつ網掛けをしましたが、木が大きいため手の届くところの実は僅かで多くは脚立を使用しないと網掛けが出来ません。 鳥が食べる実がなる木は大きくしてしまうと防鳥対策が困難となるのです。
このことから、菜園を別の場所は引っ越して新たに始めた時から、イチジクの栽培管理を考えながら行うようになった結果、木の成長に合わせて管理しやすい形に毎年剪定することとしました。
プロのイチジク栽培農家は支柱を立ててある程度の高さで棚をつくり水平方向に枝を誘引して作業しやすい高さで収穫管理をしているようですが、我々素人は棚を作るのも大変なので私は剪定だけで木の姿勢を管理しています。
下の写真は夏に実が付いている状態です。 写真で見るように今年出た実を付ける枝は上方向を向いて伸びる傾向があります。
11月になると下の写真のように葉は枯れて落ちてしまいます。
これを剪定すると下の写真のようになります。 一番高いところで2m程度に剪定しています。
剪定の目的は ①着雪による枝折れの防止 ②収穫しやすい樹形の維持 ③陽当り、風通しの良い枝配置として病害虫を予防する といったところです。
これを踏まえて行う剪定のポイントは次のようなところです。
- 着雪し易い雪は細い枝でも太く着雪し折ってしまいますので、雪で折れないように枝の太さで強度を勘案し、切り戻す。
- 木の幹は1本仕立てとして、地際から出てくる枝やひこばえはすべて切り取る。
- 上の方に伸びた枝はそれ以上伸びると実を採れなくなるので切り取る。
- 枝が密になると害虫が付きやすくなり実も取りにくくなるので、来春に枝が繁茂してもすべての枝葉に陽の光が当たるくらいに枝を間引く。
特にこの②番の事項は果樹に共通で、果樹は地面から1本で育てなければなりません。 ひこばえを何本も生やすと中心部は害虫の巣となります。 イチジクは特にひこばえが生えやすく、全く剪定をしないで放置すると下の写真のようになります。
このような姿勢になると地際部分は害虫の巣となり、特にイチジクでは最も被害が大きいカミキリムシが大量に繁殖します。 剪定により樹形を整えると害虫が来ても見え易いため鳥や他昆虫などの天敵が捕食し、多くは自然に駆除されます。 稀に産卵して幹に幼虫が侵入しても侵入の形跡を発見しやすく、見つけ次第殺虫剤注入で駆除できます。
一本仕立てをしていても、下の写真のようにひこばえはどんどん生えてきます。
根元に生えてきたひこばえは根を付けたまま切り取って移植すると容易に活着するので繁殖に利用できますが、利用しない場合は早めにすべて撤去します。
良い実をならせるには肥料も要りますが、私は発酵鶏糞を根元に散布しています。 大雨が降ると根元の土が流出しやすいのですが、発酵鶏糞を厚く散布しておくと保水力が有る為土は容易には流出しなくなります。 その代わり鶏糞中にはミミズが繁殖するのでそれを求めてイノシシが頻繁に掘り返すようになりました。
イノシシが掘り返してもイチジクに影響は殆どないので、被害は整地の手間が増えるということだけです。
このように準備してやれば、あとは来春芽を出した枝に実を付け収穫することとなります。 以前にも書いたように実がある程度大きくなったら1個ずつ網掛けをして鳥害を防ぎます。 実が見えないように網掛けをすれば、鳥害は殆どなくなります。
野菜も果樹も手間をかけた分だけ美味しく実ることで世話をする人の苦労に報いてくれるのです。